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今夜の番組チェック

《将棋をおぼえたばかりの人の上達法》

著・川北亮司

 ここは、将棋をおぼえたばかりの人が、どうしたら強くなれるか、そのための上達法(じょうたつほう)をおしえたり、質問(しつもん)に答えたり、いろいろなアドバイスをするページだよ。

将棋についてのなやみなどや、この文についての意見や質問があったら、気がるにぼくのメールアドレスkawakita-7878@opal.dti.ne.jpか、ぼくのホームページにあるひみつのBBSに書きこんでね。できるだけ、ていねいに答えるからね。

 

第12回 駒をにぎって、寝てみよう 2005.4.2  

ぼくが、将棋に夢中になっていた、子どものころに聞いた話を、きみにおしえてあげるね。

あるプロ棋士(将棋や囲碁の専門家、先生のこと)の子どものころの話だよ。その人は、ふとんにはいって寝るときに、毎日、将棋の駒をにぎって、寝たんだって。そして、心の中で、「将棋が強くなりますように」って、おいのりをしていたらしいよ。

もちろん、ぼくもやったよ。おいのりするのは、将棋の神様にだけど、きみも今夜から、やってみるといいよ。

そうそう。将棋に夢中になって、1日24時間、将棋のことばかり考えるようになると、ちょっとふしぎなことが起こるんだよ。ぼくも子どものころに、経験したことがあるけど、人間が駒に見えたりするんだよ。たとえば、道をあるいているときに、前の方をあるいてる何人かの人が、将棋盤の上の駒が、ならんでいるように、見えたりするんだ。これ、ほんとだよ。こんなふしぎな経験をするのは、ぼくだけじゃないよ。

このまえ、韓国に日本の将棋を、おしえにいったとき、韓国将棋のチャンピオンで、《韓国将棋の羽生》と呼ばれているプロ棋士の人に、聞いたんだけど、やっぱり似たような経験があるんだって。

その人の家の天井は、タテ、ヨコに木が組み合わせてあったらしいけど、それが将棋盤に見えて、その盤の上に駒が見えてしまって、なかなか眠れなかったらしいよ。

きみが、こんなふしぎな体験ができたら、すぐに強くなれるはずだよ。

 

第11回 負けたときのくやしさを、大切にしよう 2005.4.2

いまのきみが強くなるために、どうしても必要なものがあるよ。でも、むずかしいことじゃないよ。だれでも、すぐできるものだと思うよ。

強くなるために、どうしても必要なもの。それは、将棋に負けたとき「くやしい!」って感じる気持ちなんだ。くやしさが強ければ強いほど、「もっと強くなりたい!」って思うからね。

そういえば、60人ほどが集まった、子ども将棋大会で、とってもすてきな男の子を、見かけたことがあるんだ。その子は、小学3年生だったけど、大会の会場で、突然、大声で泣きだしたんだよ。ぼくは、ケンカでもあったのかと思って、びっくりしたけど、そうじゃなかったんだ。

原因は、将棋盤の上にあったよ。男の子の玉将が詰んで、負けていたんだ。男の子は、負けたくやしさに、わんわん泣いたんだよ。「負けました」って、相手の人に伝える大切なマナーなんか、すっかり忘れて、泣きに泣いているんだ。それも、大声で泣いてるだけじゃないよ。足で床を、ドンドンふみならして、右手で、将棋盤を、バンバンたたきながらだよ。

つぎの対局(試合のこと)でも、男の子はまた、はげしく泣いたよ。そして、その子は、将棋を5局指したけど、結局5回負けて、くやし涙を5回流したんだよ。

ぼくは、この子のようすを見ていて、とってもうれしかったよ。「この男の子は、きっと強くなるぞ」って思ったからね。

そういえば、江戸時代の歌で、《負けて強くなる将棋かな》っていうのがあるよ。負けたときに、どこが悪かったのか、しっかり反省をすれば、その分だけ、強くなるっていう意味だよ。人間ってふしぎなもので、勝ったときは、うれしくてうれしくて、反省なんかしないものなんだ。

だから、負けることを、いやがらないことが、とても大切だよ。たくさん将棋を指して、たくさん負けて、たくさんくやしがろう。そして、たくさん反省をすれば、どんどん強くなるよ。

 

Q&Aコーナー1 2005.3.23

将棋をおぼえて2ヶ月という、小学校6年生の女の子〈にゃんこ。〉さんから、こんな質問がきたよ。

川北さん、もうすぐ王手とゆうところで、金将に駒をとられてしまいます。く〜。金将め!てなかんじです。桂馬でも、飛車でも、歩でも・・・・・。何か良い方法はないでしょうか? 

実際の図面がないので、はっきりはわからないけど、この文から想像できることが、いくつかあるよ。

1 相手の人は、玉将のすぐそばに金をおいてあること。

2 〈にゃんこ。〉さんの手番(指す番のこと)なら、玉将を守っている金をとって、王手がかかること。

これでわかることは、相手の人は、玉の守り(かこい、という)を作って戦っているので、第10回のところで書いたように、将棋の基本を知っている人だよ。クラスの中でも、けっこう強い人なんじゃないかな?

ところで、あと一歩のところで、〈にゃんこ。〉さんの攻(せ)めが続かないのは、もしかして、早く王手をかけたいっていう気持ちが、強いんじゃないのかな? まちがえちゃだめだよ。王手をかけるだけじゃ、将棋は勝てないんだからね。

それと、つぎに王手がかかるところまでいって、相手の金でとられて、攻めがとまってしまうというのは、攻めている〈にゃんこ。〉さんの駒が、たらないのかもね。つまりね。相手の玉将にせまっていった〈にゃんこ。〉さんの駒が、金にとられたら、その金を別の駒で、とれるようにしておけばいいんだよ。攻め駒は、1枚では絶対に、相手の玉を詰められないよ。かならず2枚以上の攻め駒が、必要だとおぼえておいてね。

ついでに、アドバイスしておくけど、相手の玉将を攻めていくには、玉将を上からおさえこむように、そして、右や左から、つつみこむように攻めるといいよ。こうして攻めると、玉将に逃げられないですむからね。

〈にゃんこ。〉さん、どうかな? アドバイスになったかな?

 

第10回 大駒(飛車、角行)を、はたらかせよう 2005.3.21 

将棋の駒には、歩兵、香車、桂馬、銀将、金将、飛車、角行、玉将(王将)、全部で8種類あるよね。

これらの駒の中で、大駒と呼ばれているのは、飛車と角行だよ。王さま(玉将や王将)と、同じ大きさの駒だけど、ほかの駒とくらべると、ひとまわり大きく作られてるね。でも、飛車や角行を、大駒と呼ぶのは、駒の大きさのことだけじゃないんだよ。

きみも知っているように、飛車と角は、とても遠いところまで、行くことができるよね。動ける範囲(はんい)が広いということは、それだけパワーが大きくて、強い駒ということなんだよ。

つまり、飛車と角は、相手の陣地(じんち)を攻撃(こうげき)したり、相手の王さまを、追いつめていくときに、とても強いはたらきをするんだ。だから、将棋を指すとき、飛車と角を、十分に活躍(かつやく)させるように、指すことが大切だよ。

でも、将棋をおぼえたばかりの人は、飛車や角だけで、相手を攻撃しようとする人が、とても多いんだ。ほかの駒を、ぜんぜん動かさないで、飛車を、あっちに動かしたり、こっちに動かしたりしてね。

でも、これは、大きなかんちがいだよ。相手の陣地を攻撃するのは、大駒だけでは、絶対にむりだよ。大駒を活躍させるというのは、大駒だけを活躍させるという意味じゃないよ。将棋で勝とうとするなら、いろいろな種類の駒を、おたがいに協力させながら活躍させないと、ダメなんだよ。

それでは、どうやって協力させるかというと、いまのきみは、こういうふうに、おぼえておくといいよ。

相手の陣地を攻撃する形は、飛車を主役にして、角、飛車に近いほうの銀、飛車に近いほうの桂、それと歩を、協力させるんだ。それから、自分の王さまを守る形(かこい、という)は、飛車がいる場所から、はなれた場所に王さまを移動させて、王さまのまわりに、二枚の金と一枚の銀を近づけて、お城(しろ)をつくるんだ。

このように、攻撃の形と守りの形をつくって戦うようになれば、きみは、かなり強くなっているはずだよ。きっと、クラスの名人レベルになっているよ。

 

第9回 歩を大切にしよう 2005.3.21

将棋の駒の中で、一番たくさんある駒は、なんだかわかるよね? もちろん、歩だよね。きみの歩は9枚。相手の人が9枚で、合計18枚もあるよ。

将棋をおぼえたばかりの人は、歩はたくさんあるから、1枚や2枚とられたっていいや、なんて思っている人が、けっこういるんだよ。歩のことを、お金にたとえると、1円玉みたいに、思っているんじゃないかな?

でも、ちょっと考えてみてね。1円玉は裏がえしても、1円玉だけど、歩は裏がえしたら(成ったら)、「と金」という、金と同じはたらきをする駒に、大変身するんだよね。つまり、歩は将来の金なんだ。

将棋の試合(対局という)をはじめる前は、きみには、金が2枚しかないよね。でも、歩が成れば、金と同じ駒になるんだから、9枚の歩は、将来の9枚の金だよ。そう考えると、歩がとても大切に、思えるんじゃないかな?

さあ、ここで、対局する前に、将棋盤の上に駒を、ならべたところを、思い出してね。おたがいに、相手の陣地(じんち)に一番近いところに、ならんでいるのが、歩だよね。だから、対局がはじまって、一手一手駒を動かしていくと、どうしても、きみの歩と相手の歩が、にらみ合う場面が多くなるんだよ。にらみ合うっていうのは、きみの歩と、相手の歩の間に、ひとマス、あいだがあいている状態のことだよ。

もし、こういう状態のときに、先にきみの歩を動かすと、相手の歩にとられちゃうよね。これでは、将来の金が、まるまる損(そん)をしちゃうよ。

では、どうしたらいいかだよね。

きみの歩と、相手の歩がにらみ合う状態になったら、ちょっと考えるクセをつけよう。そして、きみの歩を、ひとつ前に動かして、つぎに相手の歩でとられても、今度は、その歩を、きみの別の駒でとりかえせるなら、歩と歩の交換(こうかん)だから、損(そん)はしないよね。

損をしなければ、きみの歩を動かしてみよう。損をするだけなら、もったいないから、別のところにある駒を、動かすことを考えようね。

さあこれで、きみは、また少し強くなれたはずだよ。

 

第8回 相手からとった駒を、どんどん使おう 2005.3.20

きみは、世界中に、将棋と兄弟のゲームがあるのを、知っているかな? チェスや、中国将棋(チャンチー)や、韓国将棋(チャンギ)などは、みんな将棋の兄弟なんだよ。

でも、日本の将棋と、そのほかの将棋には、大きなちがいがあるんだ。それは、とった相手の駒を、自分の駒として使えるっていうルールだよ。このルールがあるのは、日本の将棋だけなんだ。だから、日本の将棋には、相手からとった駒をおく、駒台(こまだい)というものが、あるんだよ。

ところで、第7回で書いたけど、将棋をおぼえたばかりの人は、駒をとることを楽しんでしまうことが、多いよ。だから、相手からとった駒を、とっても大切にして、ためてしまうクセがあるから、気をつけてね。

ちょっと、ここで考えてよ。将棋というゲームは、相手の人も、きみも、ゲームをはじめるときは、同じ種類の駒を、同じ数、持っているよね。つまり、まったく同じ勢力で、戦いがはじまるんだ。

戦いがはじまってから、もし、きみが、相手の人の歩を、ひとつとったとするよ。そうしたら、相手の人の歩は、いくつになったかな? そうだね。9−1=8だよね。それでは、きみの歩の数は、いくつになったかな? かんたんな算数問題だよね。9+1=10だよ。

ゲームをはじめるときは、おたがいに、9枚持っていた歩が、1枚とると、2枚の差になるんだ。これは、きみと相手の人との勢力に差ができて、きみが有利になったってことだよ。

でも、せっかくとった歩を、使わなかったら、どうなるかな? 相手の歩は、8枚になってて、きみの歩は9枚だよね。これでは、たった1枚の差にしかならないよ。

これで、わかってもらえたかな? 相手からとった駒は、ためこまないで、どんどん使うことを、考えようね。

 

第7回 駒をとるのは、なんのため? 2005.3.20

きみは、相手の駒をとるのが、とても楽しいはずだよ。相手の歩を、ひとつとれても、うれしくなるよね。きみの歩で、相手の銀をとれたら、もう、すごく得をした気分になって、にこにこしちゃうよね。

もちろん、将棋の強い人でも、相手の駒をとったときは、うれしいんだよ。でもね。将棋をおぼえたばかりの人と、将棋の強い人とは、よろこびかたが、ちがうんだ。

そのちがいを、かんたんにいうと、将棋をおぼえたばかりの人は、まるで、相手の駒をたくさんとれば勝ち、と思っているかのように、駒をとるってことかな。

第1回で、書いたけど、大切なことだから、もう一回書いておくよ。将棋は、相手の王さま(王将や玉将)を、ちょっとでも先にとった人が、勝ちになるんだったよね。これを、絶対にわすれちゃだめだよ。

将棋をおぼえたばかりの人は、将棋の一番大切な目的を、わすれがちになることが多いから、気をつけてね。

相手の駒をとって、自分の駒にすると、相手の勢力が弱くなって、きみの勢力が、そのぶん強くなるよね。そうなると、相手の王さま(王将や玉将)を、ねらいやすくなるし、詰めやすくなる。つまり、勝ちやすくなるんだ。だから、駒を得することは、勝つためには、とても大切なんだよ。

将棋というゲームの目的を、もう一度、しっかり確認しておこうね。それだけで、ずいぶん強くなれるはずだよ。

 

第6回 「王手」で、よろこばない。あわてない。 2005.3.19

将棋をおぼえたばかりの人は、相手に「王手」をかけただけで、すごくよろこんでしまう人が、けっこう多いよ。「王手ーっ!」なんて、うれしそうにいう人が、きみの近くにいないかな? それから、それとは反対に、「王手」をかけられた人は、なんだか、あわてちゃって、おろおろしたりしてないかな?

でも、「王手」がかかっただけでは、まだ、勝負はついていないよね。「詰(つ)み」になったら、勝ち負けが決まるけど、「王手」という状態は、そのままにしておくと、つぎに王さま(王将や玉将)を、とるぞということだよね。だから、あわてる必要は、ぜんぜんないんだよ。

それに、よく考えてみてね。もし、きみの王さまに、「王手」がかけられたとしても、つぎに指す人は、きみだからだよ。相手の人が、連続で指せるなら、「王手」をかけて、つぎに王さまを、とることができるけど、それはルール違反だよ。おたがいに、交代交代で、駒を動かすのが、将棋のルールだからね。(同じ人が連続で指してしまうことを、「二手指し」といって、「二手指し」をした人は負けになるよ)

だから、きみの王さまに、「王手」がかけられても、あわてないで、よく考えればいいんだよ。そして、よく考えても、王さまがたすからないとわかったら、それは「詰み」だから、「負けました」とか、「ありません」といって、相手の人に、伝えるんだよ。「負けました」っていうのが、くやしくて、ずーっとだまって考えている人が、ときどきいるけど、これは悪いマナーだよ。

そうそう。そういえば、おもしろい子がいたのを、思い出したよ。その子は、自分の王さまが、詰まされると、王さまをにぎりしめて、走ってにげちゃうんだ。「ワープ!」とかいってね。

将棋というゲームは、将棋盤の上でやるものなので、きみは、自分の王さまが、詰まされても、ワープなんかしないでね。

 

第5回 きみは、なぜ勝てないのか?(3) 2005.3.18

きみが、将棋盤全体の駒の配置(自分の駒だけでなく、相手の駒も)を、見わたせない、別の原因も考えられるよ。

「ほら、なにを考えてるんだよ。早く指せよ」なんて、相手の人から、いわれたことはないかな? 本当は、こんなことをいう人は、とってもマナーが悪い人だよ。だって、将棋というのは、おたがいによく考えて、一番いいと思う指し手をくりだして、戦うゲームだからね。

きみは、「早く指せよ」といわれて、あわてて指したりしていないかな? 相手の人にいわれなくても、なんだか、あんまり考えずに、適当に指したりしていないかな? 考えないで、早く指すほうが、かっこいいなんて思ってたら、大まちがいだよ。

そうそう。きみは、「待った」というのを、知っているかな? 一度、駒を動かしたのに、もう一度、やり直すことだよ。動かした駒から、指がはなれていなければ、やり直しはできるけど、とてもはずかしい悪いマナーだと、おぼえておいてね。

落ちついて考えてから、駒を動かせば、きみは「待った」なんか、しないですむはずだよ。

 

さて、ここで、将棋をおぼえたばかりのきみが、強くなるために必要なことを、まとめておくよ。

1 落ちついて、将棋盤全体の駒の配置(自分の駒だけでなく、相手の駒も)を、いつもしっかり見わたしておくこと。

2 あわてないで、自分がなっとくがいくまで考えてから、駒を動かすようにすること。

さあ、これができるようになれば、きみはきのうよりも、かなり強くなっているはずだよ。

 

第4回 きみは、なぜ勝てないのか?(2) 2005.3.18

将棋をおぼえたての人が、勝てない大きな理由のひとつは、将棋盤の上にある駒全体の配置(自分の駒だけでなく、相手の駒も)が、見えていないからだよ。

その原因は、まず将棋をおぼえるときに、ひとつひとつの駒の動かし方から、おぼえるよね。玉はこことここに行けるとか、金はここに行けて、ここには行けないとかね。将棋をおぼえたてのレベルだと、どうしても、ひとつ駒のことに気をとられて、将棋盤の上にある駒全体の配置(自分の駒だけでなく、相手の駒も)を、見るよゆうがないんだよね。

「二歩」を打ってしまうのも、原因は、ここにあるんだよ。

そして、自分の王さま(王将や玉将)が、王手をかけられているのに、気がつかないってことだって起こるよ。きみは、王手がかけられているのに、気がつかなくて、相手の人から、王さまをとられたことはないかな? 

「やったーっ! 王さまを、とったーっ!」って、いわれて、「な、なんだよ! ずるいよ。王手なら王手っていってよ!」って、もんくをいってもダメだよ。王手をかけたときに、「王手」といわなければならない、というルールは、ないからね。というより、いちいち「王手」といわないのが、あたりまえなんだよ。

ところで、相手から王手をかけられているのに、気がつかないだけでなく、相手の王さまに、きみが、王手をかけているのに、気がつかなかったなんてことは、なかった? これでは、なかなか勝てないよね。

なにしろ、将棋を指しているときは、いつも将棋盤全体の駒の配置(自分の駒だけでなく、相手の駒も)を、しっかり見わたすくせをつけておこうね。

 

第3回 きみは、なぜ勝てないのか?(1) 2005.3.17

相手の人が、きみと同じように、将棋をおぼえたばかりの人なら、勝つときもあるよね。でも、相手の人が、以前から、将棋であそんでいる人だと、きみは、なかなか勝てないと思うよ。「くやしーっ!」って、大声でさけんでも、「ずるいよーっ!」って、いっても、負けは負けだものね。きっと、そんな気持ちを、何回もあじわっているんじゃないかな?

それでは、どうしてきみは、勝てないか。いつも負けちゃうのか。きみは、それを知りたいんだよね。その原因がわかれば、きみは、ぐんぐん強くなれるはずだものね。

そこで、きょうから何回かにわけて、その原因と思われることを、書いていくよ。

 

(1) 将棋で、勝ち負けが決まるとき、ふつうは、どちらかの王さま(王将や玉将)が、とられるときだよね。ところが、将棋をおぼえたばかりの人の将棋は、王さまが、とられる前に、勝ち負けがきまることが、けっこう多いんだよ。「え? そんなのあるの?」って、思うかもしれないけど、どう? きみは、経験ないかな?

《禁じ手》というのは、知ってるはずだよね。やってはいけない、禁止されている指し手のことだよ。全部で三つあるんだけど、わすれているかもしれないから、書いておくよ。

1「二歩」は打てない。

2「行きどころのない駒」は、指せないし、打てない。

3「打ち歩詰め」になる歩は、打てない。

この中で、きみが、よくやってしまうのが、1の「二歩」のはずだよ。「二歩」というのは、同じ筋(すじ)(タテのます目のこと)に、歩を、二つ以上置いてはいけない、というルールだよね。

友だちどうしで、将棋をさしているときは、「あれ? 二歩はダメだよ」って、相手の人が、おしえてくれるかもしれないけど、正式には、禁じ手は、指したとたんに負けだよ。将棋をおぼえたばかりの人の将棋大会では、全試合の10%くらいが、「二歩」で勝負がついちゃうくらい、多いんだよ。

さあ、ここからが、大事なところだよ。

「二歩」は打てない、というルールを、知っているのに、なぜ、「二歩」を打ってしまうかなんだ。

将棋を指すとき、きみは、将棋盤(ばん)を、あいだにおいて、相手の人と向かい合ってるよね。そして、つぎに、どういう手を指そうか考えながら、将棋盤の上に置いてある、駒を見ているはずだよ。でも、きっと、きみの目は、気になる駒や、その駒のすぐ近くしか見ていないんだ。将棋盤全体のマス目は、9×9=81マスあるけど、きみは、その中のほんの一部分しか、見ていないから、自分の歩がある筋を、わすれてしまうんだよ。

ズバリいうよ。きみが将棋で勝てない原因が、ここにあるんだ。

将棋というゲームは、将棋盤の上にある、すべての駒が、将棋盤全体の中で、たたかっているんだ。だから、将棋を指しているときは、いつも将棋盤全体の駒の配置を、しっかり見わたすくせをつけておこうね。これが、きょうのアドバイスだよ。

 

第2回 駒の裏の文字 2005.3.16

第1回のところで、書きわすれたことがあったよ。

将棋をおぼえたての人が、駒について、まよったり、混乱したりするのは、動かし方だけじゃないよね。駒が成ったとき、駒を裏側にするけど、裏の文字が、読めるかな?

だいたい、駒の裏の文字は、ふにゃふにゃした字で書いてあるから、わかりにくいよね。とくに、“龍王(りゅうおう)”と“龍馬(りゅうま)”、“成り銀”と“成り桂”は、まちがいやすいよ。駒によっては、“成り香”と、“と金”が、よくにている字のものもあるよ。

そういえば、将棋を指しながら、ときどき、ひょいっと駒を指でつまんで、「この駒、なんだったかな?」と、表の字をたしかめたりする人がいるね。きみは、どうかな? もう、ちゃんと駒の表と裏の文字は、わかるようになっているかな?

そうだ。ついでにおぼえておくといいよ。銀の裏、桂の裏、香の裏、歩の裏に、書いてある文字は、みんな“金”という漢字を、くずした文字だよ。歩の裏は、ひらがなの“と”に見えるけど、もともとは“金”という字を、くずしたものなんだよ。

さてさて、駒の文字とか、駒の動かし方は、何回か将棋であそんでいるうちに、いつのまにか、おぼえてしまうので、心配はいらないよ。たくさん将棋であそべば、それだけ早くおぼえられるからね。毎日、将棋であそんでいる人は、2週間くらいで、おぼえられると思うよ。

  

第1回 将棋で一番大切なこと 2005.3.15

きみは、将棋の駒の名前や、動かし方は、しっかりおぼえたかな? 将棋のルールは、だいじょうぶかな?

でも、おぼえたての人は、まだ、不安があるかもしれないね。金と銀の駒は、動かし方が、ちょっとにているから、まちがえる人が、けっこういるよ。桂馬が、行けるところは、はじめのころは、まよっちゃうよね。

そうそう。飛車と角の動かし方を、ぎゃくにおぼえている人を、見たことがあるよ。タテとヨコに、動けるのは飛車だよ。ななめに動かせるのは、角だからね。

もし、駒の動かし方を、わすれたら、本を見たりして、たしかめながら、あそんでいいんだよ。相手の人に、きいてもいいけど、「そんなの、早くおぼえろよ」って、いわれちゃうかもしれないから、できるだけ、きかなくていいようにしようね。

ところで、将棋というゲームは、どうしたら勝ち負けがきまるか、きみはもう知ってるよね。相手の王さま(王将や玉将)を、先にとった人が、勝ちになるんだったよね。これをわすれちゃだめだよ。

いい? もう一回いうよ。相手の王さま(王将や玉将)を、先にとった人が、勝ちだからね。もちろん、先に王さま(王将や玉将)をとられた人は、負けだよ。

このルールが、将棋であそぶとき、それから、将棋が強くなるためには、一番大切なことだから、しっかりおぼえておいてね。

 

ここに掲載した文章を、無断で転載することを禁止します。川北亮司